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【水】聖杯のスート

 聖杯のスートは、四大の中で【水】のエレメントを象徴しています。
【水】のエレメントの代表的な特性は、【下降原理】【受動】【論理】【メンタル】などです。 剣のスートは、四大の中で【風】のエレメントを象徴しています。

まずは、【水】の特性を分析して見ましょう。
地球上には重力がある為、【水】は当然のように下に向かって流れて行きます。
山の水源から【水】が流れ出し、重力に従い下流に流れて行きます。その途中、水の一部分は組み上げられ、植物に撒かれたりする事もあるでしょう。すると、【水】は植物の根から吸い上げられ、その植物全体を満たす事になります。
その植物は、草食性の動物に食べられ、さらにその動物も肉食獣に食べられ、いずれ排泄と言う形で【水】は大地に戻り、さらに流れて大きな海へと至る事になるはずです。
海で何年もの間満ち引きを繰り返し、太陽の光を受けて蒸発し、空に上がって雲となり、雨となって再び大地に降り注ぎます。
こう言った繰り返しを行うのが、【水】のエレメントの性質です。

この時【水】は、この世界の【法則】や【論理性】に一切逆らうことはありません。
【水】は、どんな時でも、どのような場所でも、その場面に最も適した姿形になる事が出来ます。まさに変幻自在で、同じ物には見えないかも知れませんが、【水】である事に変わりはありません。
液体・個体・気体・プラズマ体。どのような姿形になったとしても、その時、その場所の【法則】に従って存在するのが、【水】のエレメントの性質なのです。
その為、【水】のエレメントには【法則性】や【論理性】と言う象意と、【柔軟性】と言う象意を見出す事が出来ます。

さて、【水】のエレメントが【法則性】【論理性】に従って、柔軟に姿形を変える事は理解出来ました。
ここで注目したいのが、【水】のエレメントの【受動的】な性質です。
【水】は、受け支える器の形に応じて自由に姿形を変える事が出来ます。また、【水】の置かれている環境によっても、その姿を自由に変える事が出来ます。
つまり、【水】のエレメントは、外側から与えられる条件に応じて、その姿形を変える訳です。しいて言うならば、【外部環境に依存して、その形が決まる】とも言えます。
この【受動的】且つ【依存的】な性質は、【水】のエレメントを理解する上で、とても重要になって来ます。

【水】のエレメントには、具体的な【形】が存在しません。
【水】のエレメントが何らかの形を取っているようならば、それな【何かに対して反応した姿である】と言う点を忘れない様にしましょう。

さて、タロット等を用いて占う際には、【水】のエレメントを【感情・情緒】や【愛】の象徴として解釈する事があります。
【法則性】や【論理性】を象徴する【水】が、論理や法則などとは一見無関係にも見える【感情・情緒】【愛】を象徴すると言うのは、一体どう言う事なのでしょうか。
この部分は、説明がかなり難しい所です。
より詳しく、分かりやすい説明は、本校で開催しているタロット講座に任せる事ととして、ここではポイントとなる一点のみを説明致します。

【水】のエレメントは、【重力の方向に引かれます】。
【感情・情緒】【愛】は、【幸せの方向に惹かれます】。
この【何かに引かれる】と言う部分が、【水】のエレメントの重要なポイントです。
【水】のエレメントが作用したり、動きを成す時の【行動原理】のようなものが、そこには有るのです。

さて、【水】のエレメントに関しても、他のエレメントと同様に、コンピュータを例えにとって説明して見ましょう。
既に、【水】のエレメントは【法則性】や【論理性】を象徴すると言う事をご説明しました。
コンピュータの構造における【論理】とは、【プログラム】や【アルゴリズム(算法)】の事を指しています。

【プログラム】や【アルゴリズム】と言っても、何の事か分からないかも知れませんね。
ここで、算数に置き換えて考えて見ましょう。
例えば、1+3=4 と言うシンプルな計算式があるとします。
この計算式の+(足す・プラス)や、=(和・イコール)の事を【演算子】と呼びます。
計算を行う時に、1や3と言った数字だけを与えられても、その数字を使って何をすれば良いかが分かりません。
そこで、+と=の演算子を組み込む事によって、【1と3を足して、その合計を算出せよ】と言う指示を出す訳です。

この【演算子】が【プログラム】や【アルゴリズム】に相当します。
より正確に言うと、【アルゴリズム(算法)】と言うのは、処理を行う為の手順や方法論の事であり、【プログラム】と言うのは、【アルゴリズム】に則って記述された【コンピュータ用の命令原語】の事になります。
コンピュータに何らかのデータ(情報)を入力すると、この【プログラム】によってデータが処理されて、結果が表示される事になります。
つまり、【論理的に処理するシステム】が【プログラム】であり、その【プログラム】の理論的背景が【アルゴリズム】です。

コンピュータにおける、この【論理機能】は、【データ(情報)】が与えられない限り、何もする事が出来ません。つまり、【受動的な機能】です。しかし、一度【データ(情報)】が与えられれば、その論理的な処理能力を発揮して、様々な結果を導き出す事が出来ます。

ちなみにこの部分は、人間における【知性】にも同じ事が言えます。
人間の【知性】は、【知恵】と【知識】によって成り立っています。

【知識】と言うのは、【風】のエレメントによって象徴されるもので、単なる【情報】の集まりです。【情報】と言うのは、それ単体ではなんら生産性が無いと言う特徴が有ります。
例えば、優れた医学書があったとしましょう。どんなに優れた医学書であっても、それは単なる文字の羅列であり、その医学書自体に人の病気を治す力は有りません。
これが【知識=情報】の特徴です。

【知恵】と言うのは、【水】のエレメントによって象徴されるもので、【情報】を処理する為の機能です。例えば、一秒間に何兆もの演算をする事が出来る優秀なスーパーコンピュータが有ったとしましょう。しかし、どんなに優秀なスーパーコンピュータが有ったとしても、そこに置いておくだけでは、場所を取るだけの豪華な置物になってしまいます。様々なデータを入力する事によって、始めてその真価を発揮し、生産性が得る事が出来ます。
これが【知恵=論理性】の特徴です。

この【知識】と【知恵】が交わる事によって、始めて我々は【新しい何か】を生み出す事が出来ます。これが【知性】です。

【水】のエレメントは、何らかの外部要因が与えられる事によって、その性質を発揮させ、柔軟に姿形を変えて行きます。
【受動的】であり、【リアクション専門】であり、投入された【データ(情報)】や【外部要因】に応じて、【当初とは異なった何かを返す】と言うのが、【水】のエレメントの面白い性質なのです。

 【水】【聖杯】【カップ】
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